【第44回 日本チャンキー協会 通常総会を札幌で開催致しました】
日時:2016年6月1日(水)
場所:ホテルライフォート札幌

2016年6月1日(水)に、ホテルライフォート札幌(北海道・札幌市)において、第44回日本チャンキー通常総会を開催致しました。

総会の冒頭に、森泰三副会長(㈱森孵卵場)は、
「技術ゼミナールは近年300人を超える参加者となり、会場の手配が非常に難しい状況となっている。人数制限を行うような縮小は行うことはせず、参加の意気込みのある方を確実に受け入れる為に、協会の予算を見直す時期に来ていると考えている。
 今後はコスト削減もあるが、やはり人材育成に力を入れていくべきではないか。
 ブロイラー産業は、特徴的な年齢構成になっている。昭和40年代に始まったブロイラー産業は、昭和24~35年生まれの方が非常に多く就かれて、今の業界を作り上げたという歴史がある。しかしながら、その反動から昭和38~47年生まれの年齢層の方が非常に少ない。これは、高校や大学を卒業した時の社会情勢や景気の状態によって、就職される方が農畜産業を選ばずに、華やかな職業を選ばれたからではないかと考えられる。そして、昭和48年以降の12年間は比較的農畜産業に入社して頂いている。しかし、現在の20代の方々は、景気が低迷した、もしくは何らかの要因で非常に少ない。社会情勢や景気が悪いということで、募集が少なかったのかもしれない。入社した方がやめられた可能性もある。
 いびつな年齢構成を是正していくためには、今の40代の新たな会社の芯となる方々の人材育成が急務だと思われる。そう考えると、協会にとってはそういった人材を育成する場、協会を通じて人材を育成していくということが重要になってくる。こういったことで友人を増やして情報交換を行い、そして会社に持ち帰って業績を拡大していく。もしくは会社を良い方向に繋げていく。そういった事を、我々協会として考えていく時期ではないだろうか。技術ゼミナールの参加人数も重要になる」
と挨拶しました。

 挨拶のあと、副会長が議長となり、総会議案1号~5号議案までの全ての議案が滞りなく審議、可決されました。
任期満了による新役員・部会委員は下記の通り(敬称略)。

・役員
 会長 【新任】吉原 洋明氏(日本ホワイトファーム㈱)
 副会長【留任】森 泰三氏(㈱森孵卵場)
    【留任】山下 保美氏(㈱ジャパンファーム)
 理事 【留任】上村 康浩氏(プライフーズ㈱)
    【留任】遠藤 雅俊氏(㈱イシイ)
    【新任】小澤 和之氏(㈱十文字チキンカンパニー)
    【新任】須貝 正弘氏(㈱スリーエム)
    【留任】鈴木 宏幸氏(日清丸紅飼料㈱)
    【留任】田所 裕滋氏(㈱ウェルファムフーズ)
    【留任】野村 和伸氏(丸紅㈱)
    【留任】松本 弘文氏(㈱松本鶏園)
    【留任】山形 哲也氏(㈱山形種鶏場)
    【留任】山上 祐一郎氏(㈱福田種鶏場)
    【留任】森永 浩二氏(㈱日本チャンキー)
 監事 【留任】山中 将弘氏(日清丸紅飼料㈱)
    【留任】山本 剛史氏(㈱ヤマモト)

・種鶏孵卵部会委員
 部会長【留任】山上 祐一郎氏(㈱福田種鶏場)
 委員 【留任】大沼 和雄氏(㈱オオヌマ)
    【留任】大脇 秀吉氏(㈱山形種鶏場)
    【留任】小笠原 一夫氏(㈱松本鶏園)
    【留任】小野 公則氏(㈱イシイ)
    【留任】小野 紳一氏(㈱森孵卵場)
    【留任】車田 信彦氏(㈱福島エンヤ)
    【留任】小林 隆志氏(プライフーズ㈱)
    【新任】新田 幸生氏(㈱十文字チキンカンパニー)
    【留任】波多野 和広氏(日清丸紅飼料㈱)
    【留任】原口 洋一氏(㈱ジャパンファーム)
    【新任】前田 勇氏(㈱ウェルファムフーズ)
    【留任】松尾 秀隆氏(㈲松尾孵卵場)
    【留任】三野 真澄氏(日本ホワイトファーム㈱)
    【留任】山田 博文氏(㈱オーエヌポートリー)
    【留任】森川 敦夫氏(㈱日本チャンキー)
    【新任】河合 泰典氏(㈱日本チャンキー)

・ブロイラー部会委員
 部会長【留任】神田 謙一氏(住田フーズ㈱)
 委員 【留任】江崎 聡氏(宮崎くみあいチキンフーズ㈱)
    【留任】大村 勇介氏(日清丸紅飼料㈱)
    【留任】木明 誠一氏(日本ホワイトファーム㈱)
    【留任】住友 史治氏(貞光食糧工業㈱)
    【留任】立崎 武師氏(㈱あべはんファーム)
    【留任】冨谷 学氏(㈱ウェルファムフーズ)
    【新任】山下 祐樹氏(㈱ジャパンファーム)
    【留任】矢元 淳一氏(プライフーズ㈱)
    【新任】香川 幹二氏(㈱日本チャンキー)
    【新任】西村 薫久氏(㈱日本チャンキー)

・広報部会委員
 部会長【留任】松本 弘文氏(㈱松本鶏園)
 委員 【留任】木澤 文宏氏(日清丸紅飼料㈱)
    【留任】近藤 喜嗣氏(㈱スリーエム)
    【留任】泊口 昭輝氏(㈱ウェルファムフーズ)
    【留任】西内 利信氏(日本ホワイトファーム㈱)
    【留任】森 嘉澄氏(㈱森孵卵場)
    【留任】山本 喜則氏(㈱ヤマモト)
    【留任】小久保 英明(㈱日本チャンキー)

*今回の改選により退任されました役員、各部会委員の皆様には、長年に亘り当協会の発展に
ご尽力頂きましたこと、心より厚く御礼申し上げます。
今後とも変わらぬご指導ご鞭撻の程、何卒宜しくお願い申し上げます。
44回総会写真_3
総会終了の後、吉原洋明新会長(日本ホワイトファーム㈱)より、
「現在、英国と米国由来の種鶏を日本チャンキーから供給を受けており、今は難しい点はあるが、それぞれ素晴らしい能力を持っている。
 日本チャンキー協会の技術ゼミや総会において、業界の皆さんが集まった中で情報交換をしながら、まずますチャンキー種の能力が十分に発揮出来るようにと願っている。
 前回の技術ゼミの参加者は300名を超え、若い方も多数参加しており、日本のブロイラー業界の発展のために勉強している。日本チャンキー協会を通じて知り合った方々と情報交換を行いながら、益々業界が発展していくよう努力していると感じた。
 日本チャンキー協会を通して、ブロイラー業界が発展していくよう、皆様と協力し、活動していきたい」
と挨拶しました。

今総会にて、成績優良会員として表彰された方は、コチラをご覧ください(敬称略)。

 表彰後、㈱日本チャンキーの西村薫久氏が今回の実績調査の結果について講評しました。

最後に、㈱日本チャンキー 森永浩二社長が、
「この業界の一年を振り返ると、今年の年明け以降には輸入品の大量販売ということもあり、鶏肉相場については軟化している傾向にある。しかし、この一年を通してみれば、高値安定の相場で、一昨年を上回って史上最高の決算をされたところも多いと思う。
 牛、豚の畜肉相場高の後押し、健康志向によるムネ肉、ササミの需要の増加ということもあるが、業界一同の地道な努力の結果で大幅に需要を増加させた事が、鶏肉相場を押し上げたと考えている。
 こうしたことから、業界全体で収益増となり、ブロイラー生産業界を中心に新たな設備投資、増羽増産の動きが顕著になるなど、大きな潮目の変化をもたらしているのではないか。
 一方、この鶏肉相場の恩恵を直接享受出来ていないのが独立孵化場ではないだろうか。孵化専門業者の健全で継続的な発展があって、初めてブロイラー業界全体の健全な発展に繋がるものと思っている。昨年度に比べると、飼料価格に余裕がある中で、今後のブロイラー雛の取引において、関係各位の充分なご検討とご支援をお願いしたい。
 心配された鳥インフルエンザ(AI)は、国内では昨年1月の2箇所での発生で収まっているが、海外では米国やカナダ、欧州、アジアで発生が継続し、今年に入っても、中国、韓国、台湾、ベトナムなどで発生し、全く余談を許さない状況が続いている。
 ㈱日本チャンキーにおいては、皆様のご要望に応じて、安定して、そして継続して種鶏を供給させて頂くのが一番の使命。安価で、環境的にも経済的にも一番優れている動物性タンパクとして、鶏肉の需要は世界的に伸びている。
 鶏肉需要の世界的な増加と、原種鶏供給元の米国、英国でのAI発生もあり、世界的な雛不足が生じているが、㈱日本チャンキーは世界で一番のシェアを誇るAviagen社との強い連携のもと、いかなる状況においても安定して、継続して種鶏を皆様に供給させて頂くことを約束する。
 ㈱日本チャンキーでは、一昨年、昨年の英国のAI発生により、一時的に米国より原種鶏を輸入し、現在皆様におかれては種鶏、ブロイラーの生産が開始されている。既に英国からの原種鶏の輸入が再開されているため、米国由来種鶏については2017年、ブロイラーは2018年の春先までの生産で一段落となる。
 米国由来のチャンキーも、潜在的な性能は、日本での実験農場飼育で英国以上の性能を発揮しているが、その性能を充分に発揮させるためには、英国由来の鶏に比べ、若干手を加える必要がある。世界的に評価の高い日本の皆様の技術と管理からすれば、充分に性能を発揮して頂けると確信している。
 種鶏ブロイラーの優秀な管理者の成績の報告と表彰があったが、成績は毎年更新されており、皆様のご尽力に目を見張ると共に、チャンキー種の特性を理解し、その性能を充分に活かして頂いていることに、改めて御礼を申し上げる。
 チャンキーの源であるAviagen社では、今後4,5年先の2020年から2021年に餌付されるチャンキー種鶏およびブロイラーの成績は、更に改善されることが、現在英国で飼育されているエリートストック、GGPSで実証されている。Aviagen社では、同じ血統のトリを継続して育種改良を進めているからこそ、精度の高い改良予測や裏付けが出来る。更に、アジアでの需要が増えたことから、特にモモ肉の歩留まりの改良に取り組んでいる。
 筋肉変性に対応する改良にも着手し、近い将来はムネ肉歩留まりが良く、かつ筋肉変性問題が解決された鶏が出てくると予想している。
 英国内でAIが発生した際に、OIEのコンパートメント主義の規定に基づき、既にAviagen社の施設は英国政府からコンパートメントの認定を受けており、同施設からの原種鶏初生ひなの輸出が可能になっている。日英両国間でいくつかの条件を確認し、近いうちに適用されるとキタイしている。今後、英国でAIが発生しても、原種鶏の輸入停止は短期間となり、種鶏の供給安定が可能になる。
 ㈱日本チャンキーとしても、チャンキー種の性能向上に見合う社員スタッフの充実と、改善努力で益々現場力を強化していく。今後ともチャンキー種、そして新しい会長を迎えた日本チャンキー協会のご愛顧を宜しくお願いしたい」
と挨拶しました。

総会後の記念講演では、資源・食糧問題研究所所長の柴田明夫氏に、「世界の食糧・食肉市場と日本農業」の演題で講演頂き、全日程を終了致しました。

以上