去る平成15年6月3日、青森・八戸グランドホテルにて、第31回通常総会を開催致しました。
ご参加下さった皆々様、またホテル会場スタッフの皆様、心より厚く御礼申し上げます。
大変遅くなりましたが、以下に概要の紹介をさせて頂きますので、是非ご覧下さい。
ご意見・ご感想、またお気付きの点等ございましたら、こちら迄ご一報下さい。
日本チャンキー協会(山上恭宏会長)は6月3日、青森県八戸市の八戸グランドホテルで第31回通常総会を開き、平成15年度の事業計画などの各議案を原案通り承認するとともに、平成14年度の優良会員を表彰した。(表彰会員リストはコチラ)
総会後の記念講演では、独立行政法人農林水産省消費技術センター理事長の池戸重信氏が「新たな食品安全行政の動向」と題して、食品安全基本法の目的や、トレーサビリティシステム導入に対する食品製造業者の意識調査結果などを紹介した。
総会の冒頭挨拶に立った山上会長は、多数の関係者の出席と、過年度の事業が順調に実施できたことに謝意を表するとともに、
「養鶏業界は今年に入って鶏卵鶏肉ともに生産過剰の需給失調状況となり、相場は前年を下回って推移し、業界にも大きな危機感が出てきている。中国産家禽からの鳥インフルエンザ発見で、同国からの輸入が止まり、代替需要としての国産むね肉の相場が上昇しているが、過剰生産による危機感が去ったわけではない。さらにタイ産鶏肉の輸入関税撤廃の問題も抱えるチキン業界は危機感で一杯である」
と述べた。
優良会員の表彰式ののち、㈱日本チャンキーの菊池修社長が、最近のチャンキー鶏種と業界動向について、
「チャンキー種は種鶏とブロイラー雛のバランスのとれた生産性が高く評価され、特に近年改良が著しい産肉性の向上などから、国内シェア60%を越える支持を得ることが出来た。皆様方から頂いた農場成績によると生産増を図るため坪羽数や回転数が増加するなど、生長にとっては厳しい状況にもかかわらず、同じサンプル数で比較すると、あらゆる生産指数で改善がみられ、改良目標が順調に実現している。さらに、本年初頭からは肥育性能が向上しているとの声も聞かれ、心強く思っている。
現下の最大関心事は、輸入鶏肉の関税問題である。国内生産を守るためには、あらゆる機会を通じて関税引き下げ反対の意思表示をしていく必要がある。ボーダレスの国際機関の中にあって、国民の未知の病気に対する危機意識は頂点に達しており、新たな鶏病の侵入防止のためには、海外の圧力に屈せず毅然として検疫体制を維持すべきである。
同時に、国際競争力をつけていくためには、生産性の向上にもこれまで以上に取り組んでいく必要がある。するべき管理をしっかり行うことで、きわめて大きな収益力の改善が実現することを、もう一度思い起こして頂きたい。
現在、協会として技術情報の提供、日本チャンキーとして担当者の訪問やチャンキースクールの開催などに力を入れており、今後も当協会や当社の技術普及活動にぜひご参加・ご協力頂きたい」
と述べ、エビアジェン社アジア担当副社長のポール・ギティンズ氏を紹介した。
ポール・ギティンズ氏 挨拶要旨
エビアジェン社の社長に、このほどコッブ・バントレス社国際技術担当取締役であったケン・ラフリン氏が就任しました。同氏は特に、ヨーロッパ、北アフリカ、最近ではアメリカでチキンマンとしての豊富な経験を持っています。ロス208,308,508の開発にも携わった前任のナイジェル・バートン氏は、研究開発取締役としてエビアジェン社のロス鶏を含む全鶏種の開発に携わることになりました。
エビアジェン社のオーナーが、BCパートナーズからアドベント・インターナショナル社(以下ア社という)に変わりました。ア社はイギリスをベースにする投資会社で30ヶ国において事業展開しており、投資額は約100億ユーロ。ライフサイエンスを専門にした投資会社で、エビアジェン社もそのカテゴリーの一つに入り、同社は我々がもっとグローバルに活動出来るよう後押ししてくれるものと思っています。
そして将来、エビアジェン社を上場会社にするとも示唆しています。ア社は、エビアジェン社の将来に大変期待しており、売上高の10%を研究投資に回すといいます。そして新技術の開発や、研究開発にこれまで以上に取り組むことが出来ると信じています。
ロス鶏のマーケットシェアは、全世界でも50%を占めています。古くからはヨーロッパやアメリカで力を持っていましたが、中東、アジアなどシェアの低かった地域でも、ジョイントベンチャーや優秀なデストリビューターと提携し、トルコで80%になったほか、CIS諸国、イラク、インド、フィリピン、マレーシアなどで成功しています。また、このほどGPSが中国にも導入されました。タイでもシェアを伸ばしているCPグループとのジョイントベンチャーも立ち上げることにしています。このように、エビアジェン社は日本をはじめ、アジアを非常に重要視しています。
将来、我々の鶏がどうなるか、の問いに対する答えはただ一つ、「これから更に良くなる」。
成功している育種会社は、常にバランスの取れた改良を行っています。我々は、全ての世代、GGPS、GPS、PS、コマーシャルで能力を十分に発揮できるような鶏を、日々開発しています。コマーシャル段階では、早く大きくなって強健でFCRに優れていること、加えて最近では、処理場における斉一性と歩留まりの良さが重要になっています。
更に、新しい鶏種の開発で、野外試験実施にまで辿り着きました。病気に対する抵抗力の強い鶏で、GPS段階で現実に見られつつあります。これからも進化し続けるチャンキー種に期待して下さい。
【 優良会員のご紹介 】 (敬称略・順不同)
広報部会推薦 ;
功労賞 > ㈱松本鶏園
協会副会長、広報部会長を長きに渡り務めて下さいました故・松本前社長の功績に対して
ブロイラー部会推薦 ;
部門賞 > ㈱九州孵卵 日本ホワイトファーム㈱知床生産部 ㈱森孵卵場
㈱遠州孵卵場 第一ブロイラー㈱ (農)県南畜産センター
㈲土橋ブロイラー ㈱A.B.C.ファーム 住田フーズ㈱
優秀賞 >㈲土橋ブロイラー
最優秀賞 > 日本ホワイトファーム㈱知床生産部
種鶏孵卵部会推薦 ;
部門賞 > ㈱ジャパンファーム 丸紅畜産㈱霧島事業所 ㈱松本鶏園
㈱児湯食鳥 日本ホワイトファーム㈱宮崎生産部
努力賞 > 丸紅畜産㈱霧島事業所 ㈱オーエヌポートリー 北海道第一ブロイラー㈱
優秀賞 > 日本ホワイトファーム㈱東北生産部 ㈲グリーンファーム
日本ホワイトファーム㈱知床生産部
最優秀賞 > 日本ホワイトファーム㈱宮崎生産部