去る平成17年6月1日、福岡市・ホテルセントラーザ博多にて、第33回通常総会を開催致しました。アクシデントに見舞われながらも、各地よりご参加下さった方々、運営に配慮下さったホテル会場スタッフの方々、心より厚く御礼申し上げます。
  
 以下に概要の紹介をさせて頂きますので、是非ご覧下さい。
ご意見・ご感想、またお気付きの点等ございましたら、コチラ迄ご一報下さい。 

 33th_4日本チャンキー協会(秋山宗雄会長;日本ホワイトファーム㈱社長)は6月1日、福岡市のホテルセントラーザ博多で第33回通常総会を開き、全国から80名の会員が出席されました。

 33th_5戸田功氏(㈱日本チャンキー)の司会で進められた総会の議事を前に、秋山会長から次のような挨拶がありました。

33th_6『昨年日本チャンキーの不測の事態が起こり、雛の不足が危惧されましたが、日本チャンキーの努力や松阪ファームの支援などから雛不足の深刻な事態は避けられ、安堵しているところです。今後も日本チャンキーにはしっかりとした防疫管理のもとで供給責任を果たす事をお願いします。関連業界の会合などでも、他鶏種の種鶏の生産性や鶏種としての性能の不安などが話題になり、日本として種を持たない不安を感じています。昨年のAI発生から消費が大きく減退し、チキンの安全・安心を消費者へ訴えるために、日本食鳥協会ではチキン祭りを全国の支部単位で行いました。来年もイベントとして行い、将来的には“土用の鰻”のような定着を目指して、業界を挙げて頑張っているところです。

33th_7現在でもAIについては北朝鮮や中国などでの発生が伝えられており、安心できる状況にはありません。
 
AIに対しては、業界として重要性を認識して各社での防疫マニュアルの遂行をお願いしたいと思います。現在ではタイと中国からの調製品は輸入されていますが、生肉は止まっておりブラジル一国に頼っていますが、一国依存のリスクは否めません。輸入される調製品は、主に加工や中食・外食向けに使われていますが、今後も現状の需要は続くものと思われます。 

33th_9国内消費の30%であるテーブルミートは国産が認知されているところですが、今後は加工や中食・外食に対しても業界・生産者をあげて、国産チキンの安心・安全をアピールしなければならないのではないでしょうか。原種鶏からの肉の生産に至る、あらゆる段階で同じ意識を持ち、実現に向けて進んでいきたいと思います。 

33th_1033th_11歴史あるチャンキー種であり、日本チャンキー協会です。日々の業務を積み重ねて、素晴らしい性能を持ったチャンキーの良さを十分に発揮して頂きたいと思います。』

 続いて行われた各議案の議事では、平成16年度の事業報告と収支決算、平成17年度の事業計画と収支予算および会費徴収などが上程され、いずれも原案通り承認されました。また、新規入会としてミヤマブロイラー株式会社(群馬県)様が承認され、59番目の会員となりました。また、役員および部会委員の異動もそれぞれ承認されました。
 
平成16年度の優良会員の表彰が行われ、次の方々がそれぞれ表彰されました(敬称略)。
□ 広報部会推薦
功労賞
㈱スリーエム
㈲高越フラン場
□ ブロイラー部会推薦
日増体
開放鶏舎
㈲松尾孵卵場

ウインドレス
㈱阿部繁孝商店
出荷率
開放
㈱森孵卵場

ウインドレス
㈲関西ファーム
飼料要求率
開放
㈲土橋ブロイラー

ウインドレス
㈱阿部繁孝商店
坪産肉量
開放
㈲土橋ブロイラー

ウインドレス
㈲土橋ブロイラー
生産指数
開放
㈲松尾孵卵場

ウインドレス
㈱阿部繁孝商店
優秀賞
㈲土橋ブロイラー
最優秀賞
㈱阿部繁孝商店
□ 種鶏孵卵部会推薦
育成率   ㈱松本鶏園
ヘンハウス産卵数   丸紅畜産㈱霧島
ピーク産卵   日本ホワイトファーム㈱宮崎
産卵持続   第一ブロイラー㈱
孵化成績   ㈲長友種鶏場
努力賞
㈱山形種鶏場
㈱A.B.C.ファーム
㈱高田ポートリー
優秀賞
㈲グリーンファーム
日本ホワイトファーム㈱東北
日本ホワイトファーム㈱知床
最優秀賞
日本ホワイトファーム㈱宮崎

 33th_1233th_1333th_133th_2表彰の後、当社㈱日本チャンキーの菊池社長が近況報告も含めて挨拶し、昨年の原種鶏早期淘汰に至ったお詫びと、その後の供給体制などを説明し、今後も一層の防疫管理と品質向上に努め、信頼回復に向けて社員一丸となって邁進するとの決意を述べました。また、緊急時にエビアジェン社から絶大なる支援を受けた事を謝し、今後とも緊密な連携を発展させることを再確認しました。そして、チャンキー種の育種改良について、野外成績の水準が高くなっていることなどを紹介し、今後も育種会社のエビアジェン社共々日本市場での最適鶏種としてご支援を頂けるように進んで参りたいと結びました。
 
 今総会に招かれましたエビアジェン社のナイジェル・バートン氏とポール・ギティンス氏がそれぞれ紹介され、挨拶を兼ねたスピーチがありました。
 バートン氏は、この度エビアジェン社を退職されますが、元社長として、また育種の最高責任者としてもチャンキー種(Ross 308)の開発にその手腕を発揮され、現在の土台を磐石なものとされました。氏はスピーチの中で、エビアジェン社の研究開発における過去・現在および未来について、最新設備のもとで行われている育種改良のポイントや、将来に向けての遺伝的改良の予測などを詳しく示されました。その中で、2005年での主な改良数値として、種卵数で0.6個、49日令生鳥体重で57g、飼料要求率で4ポイント(0.04)、産肉歩留りで0.25%など、それぞれの改善を示されました。

 また、エビアジェン社アジア地区販売副社長のギティンス氏は、この度同社が傘下に入ったエリッヒ・ウエスヨハン・グループについて、その経緯と今後の方針などについて詳しく説明され、エビアジェン社の経営は今後も独自に運営され、従来通り優秀な鶏種とサービスを供給していくことを確認しました。世界市場での鶏種毎のシェアについては、世界の種鶏餌付羽数3億4,600万羽に対してエビアジェン社は49%を占め、コッブ種は31%(うち6%はタイソン社)、グリモー(ハバード)が10%、ハイブロが3%などと報告し、今後も育種会社の寡占化は進むであろうと述べられました。世界の鶏肉生産では今後も増加し、向こう10年では3%の増加率を示し、国際間での家禽肉の交易は今後も拡大し、特にアジア地域での増加が過半数を占めるのではないかと述べられ、通常を総会を終わりました。
 
 通常総会の後の講演会では、独立行政法人 農林水産消費技術センター理事の湯川剛一郎先生から、「食品の安全・安心の技術について」のテーマで、ISO22000の概要と
国内における普及と課題について、分かり易く解説して頂きました。 講演会終了後には、各部会の委員が集まり、合同の委員会を開いて次回第82回の技術ゼミナールの開催について協議致しました。

 この後開かれた懇親会では、㈱日本チャンキーの菊池社長からバートン氏へ退職の記念品が贈られました。永年の功績を称え、出席者からも盛大な拍手が響き、なごやかな歓談が博多の夜に続きました。
(it)