■ 第38回日本チャンキー協会通常総会を岡山にて開催 ■
新会長に十文字保雄氏(㈱十文字チキンカンパニー/代表取締役社長)を、副会長に森泰三氏(㈱森孵卵場/代表取締役社長)、山下保美氏(㈱ジャパンファーム/チキン生産副本部長)の2氏を選出

38th_66月2日(水)に、岡山市のアークホテル岡山にて、第38回通常総会を開催しました。
総会の冒頭、秋山宗雄会長(日本ホワイトファーム㈱/代表取締役社長)は、まず同日午前中の鳩山由紀夫首相辞任の話題に触れた後、「日本の政治も大変だが、現在畜産界では口蹄疫問題で地元の宮崎は大変なことになっております。本当に1日も早い終息を願うばかりです。宮崎県の方々も大変ですが、近隣の県民もまた同じ思いをしています。
さて、当協会も38回の通常総会を迎えます。英国でのAI発生騒動からGPSもUSからの輸入を余儀なくされ、現在USだUKだと混乱もあるかもしれないが、今後も間違いなく株式会社日本チャンキーは、会員が求める安定した鶏を届けると確信しています。 餌、鶏、管理・・・管理が大切であることを認識して頂き、少しでも成績が向上するように頑張って頂きたい。

38th_1相場も、昨年とは違った動きをしています。しかし、相場ではなく最後に残るのは、頑張って成果(成績)を残した会社だけです。 チャンキー協会も、会員一団となって、第38回通常総会を開催することが出来ました。本日はご出席頂き、誠にありがとうございました」と挨拶されました。

会長挨拶の後、会則規定により秋山会長が議長に選出され、総会議案1号議案~6号議案までの全ての議案が滞りなく審議・可決されました。
今回は、協会理事及び各部会委員の、任期満了に伴う改選が行われました。この度の任期満了を機に会長職の勇退を希望されていました秋山会長に代わり、十文字保雄氏(㈱十文字チキンカンパニー/代表取締役社長)が新理事に選出されると同時に、選任新理事全員から会長への推薦があり、満場一致で可決されました。また、新副会長には森泰三氏(㈱森孵卵場/代表取締役社長)と山下保美氏(㈱ジャパンファーム/チキン生産副本部長)の2氏が選出されました。 続いての各部会委員会における議案についても、無事原案通り可決されました。

38th_2新会長に選出された十文字保雄氏は、秋山会長の功績を労った後、「自分は、会社の社長職について10年経過しました。同じ目線での経営になりがちですが、業界トップシェアのチャンキー種を扱う皆さんが集う協会で、違った目を養う機会にもなるかとの期待と、自分自身英国ROSS社研修の経験もあり、その時の恩返しの一つとして協会理事及び会長をお受け致しました。しかし、偉大な秋山会長から引き継ぎさせてもらい、大変な職をお引き受けしてしまったなと、率直に思っております。ただ、お引き受けした以上、自分の力の限り協会運営に当たっていく所存ですので、宜しくご指導ご鞭撻の程お願い申し上げます」と挨拶されました。

38th_3■ 秋山会長に功労賞、各優良会員が表彰されました ■
秋山宗雄氏は、平成8年6月の通常総会で新理事に選任され、平成22年6月の総会で退任されるまでの7期14年間に亘り理事を、またその間3期6年に亘り会長を努められ、会員全員の先頭に立ち、チャンキー種および協会の発展のために甚大なるお力を注いで頂きました。協会員一同、秋山宗雄氏の功績に対し、深く感謝致します。
 
 
 

 今総会にて優良会員として表彰された方々は以下の通りです。
平成21年度優良会員表彰、受賞者一覧
□ 種鶏孵卵部会
部門賞 育成率の部 ・日本ホワイトファーム㈱ 知床生産部
ヘンハウス産卵数の部 ・㈱児湯食鳥
ピーク産卵の部 ・日本ホワイトファーム㈱ 知床生産部
産卵持続の部 ・プライフーズ㈱ 第一ブロイラーカンパニー
孵化成績の部 ・日本ホワイトファーム㈱ 知床生産部
努力賞 ・宮崎くみあいチキンフーズ㈱
・㈱児湯食鳥
・㈱オーエヌポートリー
優秀賞 ・プライフーズ㈱ 第一ブロイラーカンパニー
・㈲田中ファーム
最優秀賞 ・日本ホワイトファーム㈱
□ ブロイラー部会
部門賞 日増体の部 ・㈲松尾孵卵場 玉川農場
・㈱阿部繁孝商店 日野沢農場
出荷率の部 ・㈱松尾孵卵場 瀧口農場
・ミヤマブロイラー㈱ 五十嵐農場
飼料要求率 ・㈱協和孵卵場 伊藤農場
・㈱阿部繁孝商店 東山農場
坪産肉量の部(中抜き有り) ・プライフーズ㈱第一ブロイラーカンパニー 関端農場
・プライフーズ㈱第一ブロイラーカンパニー 本地農場
坪産肉量の部(中抜きなし) ・丸紅畜産㈱霧島事業所 垂水1農場
・日本ホワイトファーム㈱札幌生産部 CS-10農場
生産指数の部 ・㈲松尾孵卵場 玉川農場
・㈱阿部繁孝商店 東山農場
努力 ・丸紅畜産㈱岡山事業所 足見B農場
・一宮家禽孵卵場  北本農場
優秀賞 ・㈱阿部繁孝商店
最優秀賞 ・日本ホワイトファーム㈱
※ 各部門 上段・・・開放鶏舎
下段・・・ウインドレス鶏舎
□ 広報部会
功労賞 ・日本ホワイトファーム㈱
以上

受賞された皆様、おめでとうございました!

■ ㈱日本チャンキー 菊池社長が挨拶 ■
UKブロイラーへの切り替えと、ブロイラー成績の更なる改良、及び 豪州、米国からのUKタイプ鶏の安定供給確立を説明

38th_4通常総会が終了した後、㈱日本チャンキーの菊池社長は、口蹄疫被害で現在苦労されている宮崎県の関係者 並びに農家へのご同情とお見舞を述べられました。そして、この度の総会への出席、また日頃のチャンキー種ご愛顧の御礼を述べるとともに、3年前の英国でのAI発生以来USチャンキー導入を余儀なくされ、その生産性に関してご心配とご迷惑とをお掛けしていることに対してお詫びを述べられました。
また5月中旬に英国を訪問して、現在のUKチャンキーの性能を農場で確認、育種改良責任者との面談、同社のスタッフと確認した今後の供給体制について報告されました。
菊池社長の挨拶内容は、以下の通りです。

① USチャンキー導入の経緯とUKチャンキーへの切替について
3年前の英国内でのHPAI発生により、英国からのGPS導入に対し禁輸措置がとられたことを受け、米国よりGPSを導入することとなった。USチャンキーも、元は英国から同じ系統のエリートを輸入し、米国で英国と同じ育種プログラムの上で改良が進められ、同等の成績が見込まれたが、UKに比較し育成率が悪いなど顧客方より声が上がった。

② 育種会社のデータでは、US・UK間の差は顕著には見られず、その原因についてはっきりと解明出来ないが、高増体ブロイラーに対する管理を見直すことが重要
・ 従来より高めの温度(餌付け時)  湿度を出来るだけとる
・ 十分な換気
・ 十分な給餌、給水スペースの確保
・ 飼料内容の見直し・・・ビタミンD3の強化、その他栄養成分も育種会社推奨値に
・ 日増体を考慮した肥育日数の見直し・・・FCR改善
・ バイオセキュリティーの更なる維持・向上と正しい鶏病の知識
③ 今年の暮れにかけてUSチャンキーはピーク餌付けを迎える
当社も全力を挙げて取り組み、技術的情報提供を行っていく
④ 昨年8月に英国内のAI清浄化が確認され、日本国政府も同国からの禁輸を解除
菊池社長挨拶
これを受け、日本チャンキーも日本が従来より慣れ親しんだUKチャンキーに切替
昨年のGPSから全てUKチャンキーとなっている

⑤ UKチャンキーの改良度合いの確認と育種の方向性 及び 日本への供給体制確認のため英国訪問
《 成績 》
・チャンキー種の生産性と、年々の改良に満足、成績低下は全くないと管理人も自信をもっていた
・同農場の1996年から現在に至るまでの成績を見せてもらった結果は、FCR・・・1.9台から1.7台後半へ確実に改善しており、改善傾向は今も変わらず継続
育成率・・・近年3.5%の斃死率で横ばい(悪化はしていない)
日増体・・・確実に改良が見られる

⑥供給体制
エビアジェンでは、UKチャンキーを飼養している豪州に対し、その生産規模の拡大と輸出衛生条件に適合すべく、バイオセキュリティーの整備を急ピッチで行っている今週には輸出準備は整う
また、米国にも新たにUKチャンキーを輸出し、その供給体制を拡充している
仮に英国で不測の事態が発生しても、UKタイプのチャンキーが安定的に導入されることとなる

■ 総会後、エビアジェン社の育種担当 ドミニック・エリフィック氏が講演 ■
ドミニック・エリフィック氏は、「チャンキー種の育種改良について」というテーマで、
現在のエビアジェン社が最新テクノロジーを駆使して育種改良を行っていることや、
今後の改良目標値について、スライドで紹介しながら説明しました。