去る平成18年4月12日~13日、東京グランドホテルに於きまして第83回技術ゼミナールを開催致しました。
今回もたくさんの方々にご参加頂きまして、スタッフ一同心より感謝申し上げます。

 まずは、下記の通り開催内容をご報告致します。
ご意見・ご感想等お気付きの点がございましたら、 こちらまでご連絡頂けましたら幸甚に存じます。

83th_64月12日(水)、13日(木)の両日、東京都内のホテルにおいてエビアジェン社からの参加と、会員180名の参加を頂き「第83回技術ゼミナール」を開催しました。秋山会長から、「全国から180名もの参加を賜り感謝申し上げる。チャンキー種に対する会員各位の関心の高さの表れと、今全世界を席巻しているAI問題への関心の表れと思う。昨年東南アジアに端を発したAIは、世界約150ヶ国の内、約40ヶ国に感染が拡大、日本では発生国からの鶏肉の輸入禁止措置をとり、世界では108人もの人が感染で亡くなっている。日本は勿論の事、全世界のチキン産業の動向に影響を与えている。後程エビアジェン社よりチャンキー種の日本への供給の説明があろうかと思うが、日本は種をストップすれば事業の継続は出来なくなる。

83th_1業界としては、決して日本にAIを持ち込まない為に、農場管理・衛生管理の徹底をお願いする。現在、国内においては鶏肉が売れない、売りにくいという状況になってきている。また各社チャンキー種の農場成績が非常によく、生産量も増えている。正に育種・技術・管理の向上がもたらした結果である。今後は生産するほうも消費量に合わせ調整が必要となってくる。消費者に対しては、AIに関する国産鶏肉の情報をきちんと伝えること、牛の全頭検査に匹敵するような、鶏もその費用は生産者が負担して獣医師による全羽数の検査制度が確立していること、トレサビリティーの開示、HACCP・ISOに準じた管理で生産・製造していることなど、鶏肉が安心・安全食品として理解頂けるように、もっと情報を開示する必要を感じる。

83th_3生・購・販が一体となって盛り上げ、消費者の心をしっかり掴み、沢山買ってもらう事が大切である。我々は国内で良質のタンパク源を供給する使命がある。今日、明日の研修が有意義なものとなります事を祈念する」と挨拶がありました。続いて、エビアジェン社の極東アジア担当副社長のポール・ギティンス氏から、挨拶および講師の紹介があり、その中でギティンス氏は、世界のAIの状況と予測を述べた後「英国での不測の場合の日本への供給は、米国やオーストラリアなど他のペティグリープログラムから、万全の体制で日本に供給する」と力強い言葉で発言されました。

83th_5秋山会長、ギティンス氏の挨拶の後、神田謙一氏(住田フーズ㈱)の司会で研修会に入りました。

1日目は、
① エビアジェン社のアジア地区獣医衛生担当部長のDr.ニコラス・ドルコ氏より、「世界各国のAI発生の現状」と題して、最新のAI発生状況とその防疫対策を軸に、各国の補償の実情や政府の関与及びエビアジェン社のAI戦略について
② エビアジェン社育種担当役員のDr.アルフォンス・カーハウス氏より、多様な環境下での選抜方法やゲノミックスなどの新技術、同社の育種選抜方法、育種の目標について
以上2件の講演がありました。

2日目は、世界で論じられ、法制化されつつあるアニマルフェルフェアー(動物福祉)をテーマに、  
① エビアジェン社のグループ技術担当役員 Dr.ケン・ラフリン氏が、EU及び米国の考え方と方向性
② ㈱イシイ代表取締役社長 竹内正博氏より、我が国におけるアニマルフェルフェアーの現状と今後の方向性や課題
などについて、それぞれ詳細に解説、講演頂きました。最後に、
③ ㈱日本チャンキー 戸田功氏が、「チャンキーブロイラーの管理のポイント」と題して、重要管理ポイント
について解説を行い、協会種鶏孵卵部会長・圃田健治氏(㈱十文字チキンカンパニー)の挨拶で2日間の全日程を終了しました。