日本チャンキー協会(秋山宗雄会長:日本ホワイトファーム(株)社長)では、9月5日、6日の両日、大阪市内のKKR HOTEL OSAKAで第86回技術ゼミナールを開催しました。全国から200名におよぶ会員の皆様が出席され、今回も会場が満席となり、熱気あふれるゼミナールとなりました。お忙しい中御出席を頂きました皆様に、改めましてお礼を申し上げます。
 今回のゼミナールの概要について下記にご報告を致しますが、内容についてのご質問などございましたら、当事務局または(株)日本チャンキー営業部までお問い合わせ下さい。

 86th_tech6畠山知己氏(日清丸紅飼料(株))の司会で進められた1日目は、副会長の遠藤雅俊氏((株)イシイ)が開会挨拶を行った後、「チャンキーブロイラーの飼料栄養について」と題し、チャンキー種の育種会社である英国・エビアジェン(Aviagen)社のマーカス・ケニー氏が講演を行いました。

86th_tech1この講演では、チャンキーブロイラーおよびチャンキー種鶏の新栄養標準や最適給餌スケジュールや飼料価格が上昇する中での飼料内容の推奨やブロイラーの無薬飼育などについて、またチャンキー種にとって相応しい栄養面からの考え方について、詳細に説明がありました。

86th_tech2この中で、栄養標準としての2002年マニュアルと2007年新マニュアルを比較し、ブロイラーににおけるアミノ酸レベルについて、
①フィニッシャーの可消化アミノ酸レベルを増加
②フィニッシャーへの早期切り替え
③正肉生産のためのアミノ酸の増加 
などについて説明しました。

エネルギーレベルについては、チャンキーブロイラー(オス)では、
①エネルギー密度を下げれば、飼料摂取量が増え、
②若干FCRは悪くなるが
③体重は同じか、大きくなる
④しかしながら、飼料形状が影響する(良質なペレットが望まれる)としました。

86th_tech3このようなことから、エネルギーコストが上昇した時には、低エネルギーで高タンパク質の飼料は、飼料摂取量が増えても経済的であることを説明しました。

86th_tech4次に、上山優二氏(宮崎くみあいチキンフーズ(株))が、「周辺地域でのAI発生を経験して・・・現場からの声」と題して講演を行いました。この講演では、今年1月に宮崎県内で発生したHPAIの概要について、実際の生々しい現場写真などを使って、当時の状況を詳しく説明して頂きました。
 この報告の中では、移動制限区域内に処理場が入ったことで大きな影響が出たにも関わらず、この時の迅速な対応などが新たな防疫指針の改正の参考となったことも紹介され、出席者の方々も報告に聞き入っていました。

86th_tech51日目の講演終了後に開かれた懇親会では、今回の技術ゼミナールに合わせて来日したエビアジェン社・アジア地区営業担当副社長のポール・ギティンス氏から、日本チャンキー協会の創立35周年を祝う挨拶がありました。氏はその中で、「世界を見渡しても、86回にもおよぶ長い歴史を刻んだ技術ゼミナールを開催し続けているのは日本チャンキー協会だけです。この永きに亘る会員各位の努力と研鑽に敬意を表するとともに、益々の発展を祈ります」と述べられました。
 熱気溢れる懇親会の会場では、会員相互の情報交換と歓談が和やかに行われました。

 2日目は、山田博文氏((株)オーエヌポートリー)の司会で進められ、当社営業部・技術普及課の田中康之と森川敦夫が今年の実績調査の集計結果を、「種鶏・ブロイラーの成績」と題して報告しました。また、今回改定となった種鶏およびブロイラーの成績指標について、その概要とポイントについて説明しました。
 次いで、今年度の実績調査で表彰された優良会員の実情報告として、種鶏部門から日本ホワイトファーム(株)東北生産部の菅家大志氏と第一ブロイラー(株)の鎌田輝彦氏が、またブロイラー部門では、住田フーズ(株)の吉田順氏と深川養鶏農業協同組合の木村裕昭氏が、それぞれ受賞した農場の成績や飼育管理の状況などを詳しく紹介されました。

 ゼミナールの終了に際して、日本チャンキー協会・種鶏孵卵部会長の甲斐光夫氏((株)松本鶏園)が閉会挨拶を行い、2日間にわたる86回技術ゼミナールを無事終えました。

次回の第87回技術ゼミナールは来年4月9日・10日の両日、福岡市で開催の予定です。
 久し振りの九州での開催となりますが、会員の皆様方多数の御出席をお待ちしていますので、よろしくお願い致します。