日本チャンキー協会(秋山宗雄会長:日本ホワイトファーム(株)社長)では、4月9日、10日の両日、福岡市内のホテルセントラーザ博多で第87回技術ゼミナールを開催しました。全国から250名におよぶ会員の皆様が出席され、今回も会場が満席となり、熱気あふれるゼミナールとなりました。お忙しい中御出席を頂きました皆様に、改めましてお礼を申し上げます。

87th_tech6今回のゼミナールの概要について、下記のようにご報告を致しますが、内容についてのご質問などございましたら、当事務局または(株)日本チャンキー営業部までお問い合わせ下さい。

87th_tech1中村義昭氏((有)武雄種鶏孵化場)の司会で進められた1日目は、副会長の遠藤雅俊氏((株)イシイ)が開会挨拶を行った後、(株)イシイの竹内正博社長が「国内外の肉用鶏のアニマルウェルフェア」と題し、国内外のアニマルウェルフェアの現状や、今後の動きなどについて講演されました。竹内氏は、その中で「国内外の大きな流れとして、動物福祉重視へ移行しつつあり、畜産動物の福祉、人の安全および環境保全の取り組みが新たな経済価値になる。日本では、家畜福祉関連の法制化が遅れていたが、農水省主導で畜種別の飼養管理指針の策定に向けた検討が始まり、ブロイラーも今年度から2年間にわたり検討が行われる」と説明されました。

87th_tech3また、国別の飼育密度と平米当たりの生産重量や斃死率の具体的な数値を説明された上で、世界的な動きとしてEU肉用鶏理事会指令、EU6ヶ年家畜福祉プロジェクトおよび国際獣疫事務局(OIE)の家畜福祉ガイドライン採択についても紹介されました。

87th_tech4続いて、人と鶏の健康研究所・家畜診療センターの川崎武志獣医師が「鶏の大腸菌について」と題し、講演されました。川崎氏は、業界内で起きているブロイラーの「大腸菌症」や「大腸菌」そのものの捉え方と対応について、豊富な現場(農場)経験をもとに臨床獣医師としての基本的な考え方を、スライドや図表を使いながら分かりやすく説明されました。
その中で、川崎氏はブロイラー処理場での大腸菌による問題は、年々漸増傾向にある。農場での細菌感染による病変や症状は様々な要因が絡み、病変のみで原因を特定することは早計であり、また菌分離だけで原因として判断することは根本的な解決にはならず、問題を長引かせる恐れがある」と述べられました。また「大腸菌症の引き金となる要因として、換気不良(舎内のホコリ、特に冬場)、寒冷感作、飢餓など舎内環境の悪化」を挙げられ、「農場で問題が発生した時は、出来るだけ早く獣医師に相談し、実態の把握と発生要因の排除に取り組む事が「問題解決の近道」と講演を結ばれました。

87th_tech51日目の最後として、日本全薬工業(株)CC経営推進本部の宗像保久氏が「国内におけるMG、MS生ワクチンの実情について」と題し、ブロイラー種鶏でのワクチン使用による経済的メリットと、ワクチン接種した種鶏から生産されたコマーシャルブロイラーの経済効果を、具体的な数字を挙げて説明されました。

1日目の終了後の懇親会では、250名の全国からの出席者が、和やかな歓談を続けられました。

2日目は、大脇秀吉氏((株)山形種鶏場)の司会で進められ、岩村養鶏(株)の石河俊彦生産 本部長が「良質な初生雛生産のために」と題し、レイヤー孵化場としての雛生産に向けた取り組みなどを詳しく説明されました。ブロイラー生産の皆様にも、大変参考になった講演だったのではないかと思います。

続いて、(株)日本チャンキーの戸田功氏が「ブロイラーの夏場管理について」、また田中康之氏が「種鶏の受精率の野外例」と題して、それぞれ説明されました。

最後に、当協会ブロイラー部会長の神田謙一氏(住田フーズ(株))が閉会挨拶を行い、2日間に亘る第87回技術ゼミナールを終了致しました。

次回の第88回技術ゼミナールは、東日本および西日本での2回開催を予定しています。
現在のところ、次のような日程・場所で計画をしています。
日 時  :  平成20年9月9日(火)~10日(水) および 9月11日(木)~12日(金)
場 所  :  東日本開催 ・・・ 盛岡または仙台
西日本開催 ・・・ 鹿児島
最終的なご案内は、7月下旬にお届け出来ると思いますので、会員皆様の多数のご参加をお待ちしています。