日本チャンキー協会(秋山宗雄会長:日本ホワイトファーム(株))は、9月9日・10日に盛岡市・ホテルロイヤル盛岡にて、11日・12日に鹿児島市・鹿児島サンロイヤルホテルにて第88回技術ゼミナールを開催致しました。今回は、当協会の技術ゼミナールでは初めての2ヶ所での開催でしたが、両会場に全国の会員など350名以上の方々が出席され、熱気溢れる内容となりました。

 88th_tech4お忙しい中、ご出席を頂きました皆様に、改めまして御礼申し上げます。
 今回のゼミナールの概要については、下記のようにご報告を致します。
 内容についてのご質問などございましたら、当事務局または(株)日本チャンキー営業部までお問い合わせ下さい。

 今回の2ヶ所での開催内容は、同じテーマで進められましたが、種鶏とブロイラーの野外報告については、それぞれの地域に近い会員の方々にお願い致しました。

88th_tech5丹羽昇氏(中部飼料㈱)の司会で進められた盛岡市では、所用にて出席が出来なかった秋山会長に代わって、㈱日本チャンキーの菊池社長が開会挨拶を行いました。 
 菊池社長は挨拶の中で、チャンキー種鶏とチャンキーブロイラーへの日頃のご愛顧に対し、また、輸入種鶏の問題発生のお詫びと、それによる出荷調整についてのご協力に、重ねて感謝の言葉を述べられました。更に年末年始の種鶏供給不足に触れ、引き続き出荷時期の調整協力のお願いをされました。 

88th_tech6次に、近年の鳥インフルエンザ(AI)問題、景気減速による鶏肉需要の行方、世界的な穀物価格高騰による飼料価格の上昇、燃料を始めとした諸資材の高騰などについて述べられました。
 その中で、「AIは、昨今では季節を問わず発生しており、常に緊張感を維持し、防疫体制を継続することが大事だ」、「AIと新型インフルエンザを短絡的に結びつけるような記事によって、消費に影響があってはならない」、また景気については、「鶏肉は他の畜肉に比べ使いやすく、価格競争力があり、現在の物価上昇の中でメリットを大いにアピール出来るチャンスではないか」と述べられました。 
 穀物価格や原油の高騰については、「若干の落ち着きは見せているが、新興国の消費拡大、需要増の基本的な状況は変わらず、今後も高止まりする中で、どのようにして生産を続けてゆくかが重要である」、「今回のゼミナールを生産性の改善や工場に活かして、コストの削減に寄与することを願う」とし、「現在の高相場が続くことを願っている」と挨拶を結ばれました。 

88th_tech1初日のテーマとして、育種会社のエビアジェン社から「チャンキーの飼料栄養」と「冬場のブロイラー管理について」の2題の講演がありました。2日目は「種鶏管理について」、「ブロイラー管理について」の野外報告、種鶏とブロイラーの「実績調査結果の解説」、「卵内接種機の実情と機械紹介」、当協会主催の海外視察団による「豪州ミッション帰朝報告」がありました。 

88th_tech2「チャンキーの飼料栄養」について、エビアジェン・アジア地区栄養担当マネージャーのキム・ハン(Kim Huang)氏が講演を行い、改良が重ねられた現在のブロイラー(チャンキー種)は、
①特定の範囲のタンパク質レベルに敏感に反応すること
②最高の収益を得るためには、タンパク質を下げない
③タンパク質レベルは、必要量より経済性で決める
④成績への影響はエネルギー密度(カロリー)より形状の違いが大きい  
(マッシュタイプよりクランブルやペレットの方が良い)     
⑤餌付けからのクランブル給餌(スターター)は、生涯マッシュ給餌に比べ成績は良くなるなど、詳しく解説されました。

 続いて「冬場のブロイラー管理について」と題して、エビアジェン社・国際技術サービスマネージャーのマイケル・ロングレイ(Michael Longley)氏が冬季における餌付けから出荷までの管理について解説されました。その中で、特に換気の方法について基本的な考え方を示し、温度と湿度の関係を分かりやすく具体的に説明した上で、効果的な換気方法の実例と各種機器類などの紹介を行いました。 

88th_tech3「種鶏管理について」の野外報告は、盛岡会場では山田博文氏(㈱オーエヌポートリー)が、鹿児島会場では東広美氏(㈱松野種鶏場)が、それぞれ自社での管理状況について発表されました。「ブロイラー管理について」の報告は、盛岡会場では阿部昌彦氏(㈱ニイブロ)が、鹿児島会場では冨谷学氏(丸紅畜産㈱)がそれぞれ発表されました。 
 また、毎年行われている「実績調査結果の解説」について、種鶏は森川敦夫氏(㈱日本チャンキー)が、ブロイラーについては田中康之氏(㈱日本チャンキー)が、調査結果と分析に基づいて解説されました。

 「卵内接種機の実情と機械紹介」では、販売先の㈱ヤマモトの山本剛史氏の通訳で、米国アビテック社のフェリペ・コリア氏(両会場が、㈱イシイの根岸資郎氏(盛岡会場)と天野秀喜氏(鹿児島会場)が同社の販売する「イノボジェクト」について、それぞれの機械の特徴や利点などについて説明されました。

 プログラムの最後は、今年6月下旬に派遣された「第26回チャンキーミッション(豪州視察団)の帰朝報告」が行われ、荒木俊一氏(㈱日本チャンキー)と日山和彦氏(プライフーズ㈱第一ブロイラーカンパニー/盛岡会場)および柳原修一氏(㈱ジャパンファーム/鹿児島会場)から報告がありました。

 ゼミナールの全日程の締めくくりとして、盛岡会場では神田謙一氏(協会ブロイラー部会長/住田フーズ㈱)が、鹿児島会場では中村義昭氏(協会広報部会長/㈲武雄種鶏孵化場)が閉会挨 拶を行い、2日間の技術ゼミナールを終了しました。

 次回の第89回技術ゼミナールは、東京で下記日程での開催を予定しています。  
    日 時  :  平成21年4月8日(水)~9日(木)  
ご案内は、来年2月下旬頃となります。会員皆様、多数のご参加をお待ちしております。