【第96回技術ゼミナールを仙台で開催致しました】
日時:2013年4月17日(水)、18日(木)
場所:仙台サンプラザ
2013年4月17日(水)・18日(木)の両日にわたり、仙台サンプラザ(宮城県・仙台市)において、第96回技術ゼミナールを開催致しました。
ゼミナール開催に先立ち、十文字保雄会長(㈱十文字チキンカンパニー社長)は「全国より東北の地に、ちょうど桜が満開の仙台となっております。
おいで下さいまして、誠にありがとうございます。今、仙台は全国でも一番ホテルが取れない都市になっているのではないかと思います。
さて、皆さんご存じの様に、今中国ではH7N9型の鳥インフルエンザが猛威を振るっており、最新の情報では、78名の感染者、16名の死者が出ている様であります。この型のインフルエンザが原因で死んだと分かるほど医療体制が整備されているのは、ごく一部でございますので、この何倍か、もしくは何十倍かの死者がもう既に出ているのかもしれません。
中国では現在、鶏肉消費の減退に見舞われており、餌付けにも影響が出始め、飼料穀物市況の高騰に一服感が出ている一因になっているようでございます。その前に忘れてはならないのは鳥インフルエンザに先だって中国国内で起こった「速成鶏」の騒動でございます。
中国マスコミは、最近ではApple、Microsoft、以前にはSonyなどの日本のメーカーの企業姿勢を槍玉に挙げて攻撃するという民族保護的な事を遠慮無くやる国なわけですけれども、それに関連してか、米国系の外食チェーンをターゲットに抗生剤や成長促進剤の過剰投与が話題になっていたようでございます。日本の十倍もの人口を抱える中国の食の動向が世界に何らかの影響を与える構図がより鮮明になってきているといえるのではないでしょうか。
しかし、一方、中国の鳥インフルエンザの影響で、日本の消費はどうかといいますと、今のところ全くといっていいほど影響がない状況と聞いております。これは成熟した日本のマスコミと消費者を実感するに値するような現象というのではないかと感じております。
厳しい経営環境にある、当チキン業界ですけれども、日本のマスコミが安全についての国内と海外との実態の違いを暴いたりするようなこともあって、我々は日本国内の消費者の圧倒的な支持を頂いており、恵まれた環境で仕事ができているといえると思っております。中国の政治の仕組みに見られるように、中国人独特の個人主義が食品安全の不振の源になっているように思いますが、中国が徐々に変化して成熟してくると日本もうかうかしていられなくなります。
しかし、これまで築き上げた国産への信用は、我々チキン業界人が日本人らしい伝統的な道徳観、倫理観それに衛生感覚を持ち合わせることが鍵になっているのではないでしょうか。その日本固有の財産となる価値観は、こうした業界人がこのように集まって情報交換することでより強固になり、これからも引き続き国産チキンの競争力の礎になっていっていけると思っております。
この昼の会議とともに、夜は是非皆さん同業者間で情報交換を行って頂き、被災地仙台にお金を落として頂ければと思っております。最後になりますが、今日まで準備して頂きました発表者の皆様に感謝申し上げ、また、準備に奔走して頂きました日本チャンキーの皆様、チャンキー協会役員の皆様に感謝申し上げ、私からのご挨拶とさせて頂きます。2日間、どうぞ宜しくお願い致します。」
と挨拶しました。
本ゼミナール講演プログラムは以下の通り。
講演が終わり、最後に山上祐一郎種鶏部会長(㈱福田種鶏場社長)の閉会の挨拶で、全日程を終了致しました。
技術ゼミナールプログラム
● 第一日(4月17日)
司会 波多野 和広 氏/日清丸紅飼料㈱
1.開会の挨拶
日本チャンキー協会 会長 十文字 保雄 氏
2.講演:
「実用的な種鶏栄養」 エビアジェン社 マルセロ・シルバ 氏
3.講演:
「飼料用アミノ酸給餌の意義とその使い方」
味の素アニマル・ニュートリション・グループ(株) 太田 史生 氏
4.報告:
「トルコ共和国視察報告」 (株)森孵卵場 瀬谷 一二 氏
● 第二日(4月18日)
1.講演:
「種鶏の受精率」 エビアジェン社 マーク・ライト 氏
2.講演:
「2013年種鶏管理ハンドブック主要な変更点」 (株)日本チャンキー 田中 康之 氏
3.講演:
「ブロイラー及び種鶏の夏場対策」 (株)日本チャンキー 森川 敦夫 氏
4.閉会の挨拶
日本チャンキー協会 種鶏孵卵部会長 山上 祐一郎 氏