【第98回技術ゼミナールを新潟で開催致しました】
日時:2014年4月16日(水)、17日(木)
場所:新潟グランドホテル
2014年4月16日(水)・17日(木)の両日にわたり、新潟グランドホテル(新潟県・新潟市)において、第98回技術ゼミナールを開催致しました。
ゼミナール開催に先立ち、協会事務局から、4月13日(日)のAI報道を受け、今回のゼミナールの開催の是非を全理事の方々にお伺いさせて頂き、その意見を総合的に判断して予定通り開催することと致しました。と、開催の経緯の説明がありました。
続いて、十文字保雄会長((株)十文字チキンカンパニー社長)より、
「第98回日本チャンキー協会技術ゼミナール、新潟での開催ということで各地からお越し頂きありがとうございます。残念ながらAIの発生もありまして、急遽欠席される方も多数いらっしゃるということで、私も相談を受けても中々難しい判断でございまして、PTAの運動会というわけにも行かない難しい問題ではございますけれど、開催という判断をさせて頂きました。ご理解頂ければと思います。
今回の鳥インフルエンザに関しては官公庁の対応が素早く淡々と進めることができていること、本当に有難いと思いますし、それに伴い発生のない他県でも点検など実施され、業界として関係各位に感謝申し上げなければならないと思います。
平成16年に、79年ぶりに国内で鳥インフルエンザの発生があった時より、全国各地で幾度もの発生の実例を重ね、各地で予行演習までやって頂いている成果と言えましょう。
それにしても、今年は韓国や中国での発生がありながらも、日本国内での発生がない素晴らしい年、と今年は言えるかと思っておりましたら、最後の最後に発生してしまいました。業界関係者は一様に惜しい思いでいることと思います。
それでもこのシーズン、これ以上の発生がないとすれば、今の日本国内の防疫対策は「あと一息」というところまで来ていると言えるのではないでしょうか。
しかし、昨日の報道では、発生農場では専用の作業着と長靴への交換を行い、消石灰の散布は常に白い状態を維持していたとのことですが、5棟ある鶏舎のうち、被害が集中している鶏舎では、側壁の上部に張ってあった金網が複数箇所、破れていたほか、金網の上から張られていたネットもたるんで隙間ができていた。壁の下部にはネズミ程度の大きさの小動物が通れるほどの隙間も複数見つかった、とのことでした。
また、農場の経営者は鶏舎内でネズミを見かけることがあったと説明しているとのことです。このことが発生の原因だとしたら、やはり防疫対策を徹底してやるしか鳥インフルエンザを防ぐ道はないという、また改めてその原点を確認したということになろうかと思います。
さて、当業界はこの日本経済の中で、せいぜい5,000億円の産業であり、安価な動物性タンパク質供給が務めであり、古い設備を騙し騙し使っていかなければならない側面はありますが、だからこそその古い設備を丁寧に、愛情を持って、正しい知識を蓄えて、メンテナンスをしながら緻密に使っていくことが求められていると思います。
そういう意味では、以前のただ単に農家さんの自主性に任せる段階から、インテが強力に指導を推進していく段階を経て、家畜保健衛生所を中心として会社を超えて地域で取り組んでいく段階まで到達したのが現時点だと思いますが、さらにもう一段階上のステージに上がらなければならないと感じます。
私が主張してきましたように、農場管理者は、医師や看護師、調理師、理容、美容のように国家資格としてステータスを上げ、定期的に最新情報を得ることを義務化して、国民の信頼に答える時期ではないかと改めて感じた次第です。
それとともに、当業界の経営者としてより設備のアップデートを図るとともに、独立農家さんにもさらに十分な収入が得られ、再投資が可能になるように更に高い利益追求をしていかなくては、と思いました。
さて、今日明日と充実したプログラムを準備して頂いております。今回欠席された方々にもこの内容が十分届きますよう、マスコミの皆さまには私のこのスピーチの報道は割愛して技術関係のプログラムの内容を十分報道していただきますよう今回は特にお願いしまして、私からの挨拶とさせていただきます。2日間、どうぞ宜しくお願いします。」
と挨拶しました。
本ゼミナール講演プログラムは以下の通り。
講演が終わり、最後に山上祐一郎種鶏部会長((株)福田種鶏場社長)の閉会の挨拶で、全日程を終了致しました。
技術ゼミナールプログラム
● 第一日(4月16日)
司会 大沼 健 氏/(株)オオヌマ
1.開会の挨拶
日本チャンキー協会 会長 十文字 保雄 氏
2.講演:
「種鶏の減耗対策」 (株)日本チャンキー 田中 康之 氏
3.講演:
「孵卵技術」 エビアジェン社 ヤオ・ファン 氏
● 第二日(4月17日)
司会 車田 信彦 氏/(株)福島エンヤ
1.講演:
「孵卵How toシリーズについて」 (株)日本チャンキー 森川 敦夫 氏
2.講演:
「飼料セミナーのポイント説明」 (株)日本チャンキー 河合 泰典 氏
3.講演:
「ブロイラー初期管理」「ブロイラー初期管理」 (株)日本チャンキー 西村 薫久 氏
4.講演:
「豪州ミッション報告」 (株)ウェルファムフーズ 本多 勇喜 氏
代理講演 : (株)日本チャンキー 河合 泰典 氏
5.閉会の挨拶
日本チャンキー協会 種鶏孵卵部会長 山上 祐一郎 氏