日本チャンキー協会(秋山宗雄会長:日本ホワイトファーム(株)社長)では、平成20年6月3日、岡山市のアークホテル岡山において第36回通常総会を開催しましたので、その概要についてご報告致します。
内容についてご質問等ございましたら、当事務局または(株)日本チャンキー迄お問い合わせ下さい。
ご参加下さった会員の皆様、会の運営にご尽力下さったホテルスタッフの皆様に、心よりお礼申し上げます。
全国各地から80名の会員が出席し、平成19年度事業報告および決算、平成20年度事業計画および予算などが原案通り承認されました。また、役員の改選では秋山会長が再任されました。
総会の開会挨拶として秋山会長は、5月に国内で野鳥から鳥インフルエンザ(AI)ウイルスが見つかったことに触れられ、「野鳥やカモはAIウイルスを常に持っている可能性があるため、AI対策はそれぞれ各社が自社防疫をしっかりと徹底してゆくことが大切である」と述べられました。また、飼料原料や原油の高騰、また飼料基金の補てん財源の枯渇などについて、業界として憂慮すべき問題について述べられました。チャンキー種の現状については、最近の実績をもとに「チャンキー種は育種改良のもとで、種鶏とブロイラーの生産性が年々向上し、バランスの良い素晴らしい能力を持った鶏種であり、この能力を最大限に有効活用して、厳しい環境を乗り切るように頑張りましょう」と呼びかけられました。
その後、秋山会長を議長に各議案が審議され、いずれも原案通り承認されました。今年度の事業計画では、総会・理事会・表彰選考会・第26回海外視察(オーストラリア)の派遣・優良会員の表彰・各部会の開催などが予定されています。また、第88回技術ゼミナールは9月9日、10日に仙台(その後盛岡に変更)、11日、12日に鹿児島の2ヶ所での開催が予定されています。
議事終了後には、ブロイラー部会と種鶏孵卵部会から推薦された優良会員の表彰が行われました(受賞各社は、別記ご参照下さい)。
続いて開催された講演会では、養鶏コンサルタントとしてアジアを含め世界の養鶏事情に詳しい、グローバル・ポートリー・ストラテジー社のゴードン・バトランド氏による「世界の飼料穀物事情および鶏肉市場動向」をテーマにした講演が行われました。講演では、飼料原料の高騰をはじめとした養鶏産業をめぐるグローバルな問題や、その影響と今後の見通しなどについて、各種資料をもとに詳しく説明されました。その中で、穀物原料や鶏肉輸出に関わる主要なブラジル、米国、中国、インドおよび日本の需給見通しなど国別に現状の説明がありました。講演のまとめとして「飼料効率で有意差の高いチキンが評価され、消費は牛から豚、豚から鶏肉への動きになり、世界で消費は2&程度伸びるであろう」とし、「穀物相場も、今後は生産性が伸びることで解決されるだろう」と述べられ、業界としても大きな関心事であるだけに、出席の会員の皆様も熱心に聴講されました。
総会議事終了後に、㈱日本チャンキー・菊池社長が挨拶し、AIの対応やチャンキー種鶏の生産状況などについて報告しました。その中で「昨年11月に英国でAIが再発生し、原種鶏の輸入が禁止され、年末年始の検疫を避けた結果として7週間の遅れで導入となった。その影響で今夏の生産不足の大きな要因となり、皆様にご迷惑をお掛けしていることを大変申し訳なく思っている」、「エビアジェン社はAIリスクの対応として、アジアへの供給基地として特に豪州とニュージーランドの生産を強化しており、当社としては今後も英国を軸に、状況に応じて豪州や米国から原種鶏を供給して行きたい」と報告しました。またAI発生国からの禁輸措置について「国のAI防疫措置として、初生雛の着地検疫を前提に信頼できる輸出国にあっては当該国の移動禁止措置に合わせた地域限定(ゾーニング)と、出荷元組織の防疫体制の信頼性を基にした、個別管理(コンパートメンタリゼーション)を是非とも検討して頂きたいと切に願っている」と国内の検疫制度について触れました。今年度の種鶏生産については「農場規模の格差から年間の生産量にブレが生じ、生産の谷間の年であることと、原種鶏の導入遅れなどの影響で、下期の需要期にも一部生産不足が見込まれるため、改めてご協力とご理解をお願いしたい」と今期の見通しについて、状況説明がありました。
平成19年度優良会員表彰、受賞者一覧
□ 種鶏孵卵部会
部門賞
育成率 ・㈱児湯食鳥
ヘンハウス産卵数 ・日本ホワイトファーム㈱宮崎生産部
ピーク産卵 ・丸紅畜産㈱
産卵持続 ・プライフーズ㈱第一ブロイラーカンパニー
孵化成績 ・日本ホワイトファーム㈱宮崎生産部
努力賞 ・プライフーズ㈱第一ブロイラーカンパニー
・㈱児湯食鳥
・㈱松野種鶏場
優秀賞 ・㈱グリーンファーム
・㈲田中ファーム
最優秀賞 ・日本ホワイトファーム㈱
□ ブロイラー部会
部門賞
日増体 ・㈲松尾孵卵場 山田農場
・日本ホワイトファーム㈱知床生産部 CS-10農場
出荷率 ・㈱協和孵卵場 大西農場
・ミヤマブロイラー㈱ 竹内農場
飼料要求率 ・阿部繁孝商店 東山忠農場
・住田フーズ㈱ 佐々木農場
坪産肉量 ・プライフーズ㈱第一ブロイラーカンパニー 関端農場
・プライフーズ㈱第一ブロイラーカンパニー 本地農場
生産指数 ・㈱阿部繁孝商店 原農場
・住田フーズ㈱ 佐々木農場
努力 ・プライフーズ㈱第一ブロイラーカンパニー 関端農場
・日本ホワイトファーム㈱知床生産部 CS-6農場
最優秀賞 ・㈱阿部繁孝商店
・日本ホワイトファーム㈱
※ 上段・・・開放鶏舎 下段・・・ウインドレス鶏舎
以上